第1章 それは私です

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ここはどこなの? 凜は? まだ、ゲームは続いているの? もうっ!!いやになっちゃう!! なんなのこれ!ありえないでしょ!!船が難破なんて!! ……ここはどこかの海岸かしら? 目を覚ました私が周りを見ると、そこは何も無い海辺だった。 乗っていた船が沈没して、私はここに流されてきたようだ。 あ、どうしよう!ケータイ濡らしちゃった!? 私は慌てて、ポケットに入れたケータイを取り出して画面を見る。 「あ、動く」 良かったわ。ケータイは壊れて無いようね。 しかし、ここはどこなの?あたりは真っ暗だから何も分からない。 どうしよう?一度、凜を捜したほうがいいわよね? 私は服に付いた汚れを払って、遠く明かりが灯(トモ)る方向へと歩く事にした。 今が真夜中だからなのか、あたりは真っ暗だけど、私は少しでも明るい方を目指して歩く。 あら、あそこに騒がしそうなお店屋さんがあるわね。 私はこれがゲームの中とはいえ、こんな夜中に、そんな騒がしいお店に入るのは少し怖く感じた。しかし、私にはあの能力があるから大丈夫よね。 私はお店の扉をあけて中に入る。 ここは酒場というところね?店内には肉体労働者のような人達がたくさんいてお酒を飲んでいた。 私はテーブルの一つに座る。 どうしよう?まずは、凜を探さないといけない。どうすればいいかしら…… 簡単なのは、いったんこの【海賊GAME】を終了して現実世界で直接、凜に会って、どこにいるのか聞く事だけど……でも私自身がどこにいるのか分からなければ合流のしようがないわよね。 「ご注文は?」 ひゃっ! いきなり声を掛けられて、私は飛び上がる。そうで無くても周りは恐そうなオジさんばかりで緊張しているのだ。 な、なんだ、ウェイトレスさんか…… 「……えーと、ご注文は?」 もう一度、ウエイトレスさんは私に聞いてきた。
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