【五刺し】

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「ぐぅっ!」  いきなり背中の中央ら辺に強い痛みを感じ、思わず声を出してしまった。  どうやら清水は本気で寝入ってしまっていたらしく、途中から意識がぶっ飛んでいた。  いいや。  意識がなくなっていたというよりも、懐かしい夢を見ていたような気がする。  せめて夢の中で謝ることが出来たらと思い続けていたのに、今まで一度も見ることの無かった、懐かしい彼女達の姿。  彼女達と出会った頃の、まだ、何も知らなかった自分の姿と共に見ていたような気がする。  その為、現実世界に一気に引き戻された清水は、一瞬、今の状況が分からず、自分が何故、このような痛みを受けなくてはいけないのかと歯を食いしばりながら、咄嗟に考えた。
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