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まずは今夜の「ただいま」のメールを。
私は悠人からのメールを待つ間にお風呂に入った。出てくると、メールが一件届いていた。悠人から。
「ただいま、春香」
10分前のメールだった。私は急いで返信する。
「おかえり、悠人。お疲れ様」
「うん、春香もお疲れ様。電話していい?」
「いいよ」
一時も置かずに着信があって、私は通話ボタンを押した。受話器からは聞き慣れた声が届いた。
「春香。あのね、俺の方は準備が整った。半年遅れたけれど、もういつでも君に会えるよ」
確かに心構えはしていたが、突然でビックリした。
「会え……るの?」
「うん。君の準備ができたら、いつでも会えるよ」
正直、私は半年前にはすでに準備万端だった。いつでも会える。
「悠人、私はもう半年前から準備万端だよ」
「じゃあ!」
「明日にでも会える」
私たちは、会う時間を決めた。
もう何も恐れなくていい。私は自分が書いた物語を悠人と一緒に歩める。書いた物語とは違う道でも、それはきっととても楽しいだろう、悠人と2人なら。
再スタートを切るのは明日だ。
明日からはまた新しい人生のスタートだ。
私たちは互いに、一度目の結婚に区切りを付けたのだから。
end
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