第1章

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「だって、この日しかないって!そう言ったから私・・・」 茜の声が震える。 「ごめん」 でもしょうがないんだ。 友也は、申し訳ない気持ちと、わかってくれるだろうという気持ちが混ざりあった声で謝った。 「明日から夏休みだよ?合宿に行っちゃうから、その前にって。だから・・・。」 茜は俯いて唇を噛み締める。 泣くのをこらえて、肩を震わせた。 野球に打ち込んでいる姿を見るのは好きだ。 友也の声がグランドに響いているのを聞くのが好きだ。 甲子園を目指すんだ!昔から言っていた。 野球の話をする時の煌めく瞳や挑むような笑顔が、とても好きだ。
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