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それから彼は三年間眠り続けたとは思えないほどの早さで回復に向かった。
リハビリも好調で、すぐに歩けるまでになった。退院は数週間後には出来ると医者は診断した。
「退院おめでとう」
病院を出て瞬の家への帰路を進みながら話す。
「これも紗代がそばにいてくれたおかげだよ。ありがとう」
「元気になって本当に良かった」
ふっと笑って返す。
「ずっと聞きたかったんだけどさ」
瞬が立ち止まって私をじっと見た。
「あのとき紗代が言いたいことって何だったんだ」
今なら言える。
「やっと伝えられるよ。三年まったんだから、答えはイエスしか認めないからね?」
すぅ、と深呼吸した。
「大好き」
彼はほほ笑えんだ。私の頬に手を添え
「そんなの、前から知ってるよ」
と言って口づけした。
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