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翌日。店の仕込みを終わらせた俺は、村はずれに住む魔女のもとへ向かった。
村には、魔女であるババ様のことを「神の教えに反するもの」と嫌ったり、魔女という名から不必要に恐れたりする人もいる。
けれど昔からなにかと顔を合わせている俺からすれば、変わり者の知識人でしかない。なにかわからないことがあったときは、ババ様に聞くのが一番だ。
「なんだ、魔法耐性の坊やかい」
ババ様は仰々しい音を鳴らす扉を開いて俺を見るなり、つまらなそうに言った。
昔からババ様は、俺のことをこう呼ぶ。ババ様いわく、俺の魔法の掛かりにくさは数万人に一人のものらしい。だからといって、それで得したことは一度もない。
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