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とある日…この日もまた、ザーによるお勉強会が開かれていた。
「…闇と血を原動力に、力を増す。それが"デスピア"と呼ばれる魔剣です」
今は、魔界についての知識を教えている。それをエルシャは、やはり退屈そうに聞いている。
「魔剣デスピアぁー?…何その名前。剣なのにスピアなんてセンスないなぁ」
ふぁ…とあくびを隠そうともしない。退屈だからって言いたい放題である。
「その昔、とある使い手がデスピアに呑まれ、魔界の剣でありながら魔界そのものに多大なる被害をもたらしたこともあります。それほどまでに強力な剣ですが、今はどこにあるのかわかっていません」
「だったらこれはもういらないね。はいしゅーりょー」
どこにあるのかわからないなら、これを勉強する必要もないではないか。エルシャは早くも勉強を終わらせようとする。
「言っておくけど、ここ今度のテストに出ますからね」
「ぅえぇ!?」
突然の宣告に、猛抗議のエルシャ。反対!とか鬼畜!とか言っている。
ザーは、こうして時にエルシャにテストをする。これまで勉強した知識がどれだけ頭に入っているか、確かめるために…
ちなみにテストで悪い点を取ると、一週間この家の掃除当番になる。しかも一人で。
ここがどれだけ広いか…トイレの数だけで百はくだらない。ここの掃除…エルシャにとってそれは、何としても避けたいものであるのだ。
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