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「エルシャ様、それはあくまで人間の娯楽…そんなものにうつつを抜かしている時間はありませんよ。人間界のこともですが、この天界や魔界のこともしっかり学んでいただかないと」
遊ぶ暇などない、とキッパリ言い放つ。あくまで人間界の知識とは、エルシャが学ぶものの中にある一つにすぎない。
人間界だけでなく彼女らが住んでいるこの天界。そして対を成す存在の魔界。この三つの異なる世界の知識を学ぶ必要がエルシャにはあった。
「天界、人間界、それに魔界…うぁあ、やだぁ…」
一つの世界の情報だけでも、膨大すぎる量。それが単純に三倍、学ぶ知識があるというのだ。考えるだけでも嫌になる。
「こんなん無理ぃ。バカんなるぅ」
既にエルシャの気力は削がれている。こんな状態で勉強しても身に入らないだろう。
ザーはそう判断し、軽くため息を漏らした。
「…では、少し休憩しましょうか」
「さんせー!」
勉強漬けの毎日…それにより確かに知識は増えていくが、同時に疲労も増していた。こうして羽を伸ばせる時間がエルシャは好きだった。
「ねぇねぇ、このマンガの続きないの!?」
しかし休憩と聞いた途端、これである。
「休んでいいとは言いましたが、遊んでいいとは言ってませんよ」
「遊んでないしー」
口を尖らせ、ベッドに寝転がる。
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