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明るく整備された城山の中を歩いていたら、向こうから親子連れが来た。
僕と同じぐらいの歳の夫婦と3歳ぐらいの男の子。
男の子を間に挟んで、3人で手を繋いで歩いていた。
母親のおなかは大きく張り出していて、もうすぐ4人家族になるんだろうとわかる。
日本中のどこにでもいるような、ごく普通の家族。
それが羨ましく思えるのは、手に入らなかった幸せだからだ。
城山を抜けると住宅街が現れて、2つ目のカーブミラーを曲がると君の家だ。
住宅街の中の道は狭くて、時折通り過ぎる車にヒヤッとしたものだ。
久しぶりに見た君の家は、相変わらず大きくて、ちょっと圧倒される。
その庭で、花に水やりをしている後ろ姿にあのときの君が重なった。
白いうなじが半夏生を思わせる。
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