一降り目

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ふと、自分が名乗っていない事に気付いたらしく、彼女は自己紹介を始めた。 「お、小野芳君と小泉さん。ボクは古屋(ふるや)、こ……」 んっ? 何か不自然に止まったような……。 「ふるや、こ?」 「あうぅー、ごめんなさいぃ、ボクは古屋。えとえと、よろしくお願いします」 思わず問い返すと、慌てて言い直してペコりと頭を下げる。 反射的にこっちも頭を下げて返す、が、オレはとんでもないことに気付いてしまった。 さっきは気付かなかったが、この子ボクっ子だ! ワンコ系美少女でボクっ子! しかも……、よくよく見れば一部分だけ発育がとても良くていらっしゃる。 どんだけキャラオプション付いてるんだ? 特選クラス侮り難し。 オレが思春期特有のイタいツッコミを脳内でしているなか、雪音が作り上げた霜をそっと、触っては引っ込めてを繰り返し、オレに問うてきた。
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