一降り目

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まさか、何か待ち時間が長いなあって思ってはいたんだが。 「はいはい! どんどん並んでねえ! 若干急ぎめで」 熱血どうのと思ったが、違う。 ただのドジでやっちまった系のテンパリストだ。 この人、本当はもっと早くここに来ないといけなかったんじゃないか!? ほらほら、また皆が空気を呼んで駆け足になってる。 ああ、このクラス本当に良いクラスだ、間違いない。 ふと、あることに気付く。 縦に五列、横に六列のちょうど三十人のクラスの様なんだが、未だにオレの名前が呼ばれない。 もう呼ばれて半分に差し掛かるのに、頭の文字が『お』であるのにだ。 しかも、扉から近い廊下側先頭から縦順に呼ばれ、今は四列目に差し掛かっている。 やばい! この席順やっぱり意味があったんだ! 何となく呼ばれる順番を理解した生徒はもう机にはおらず扉の前で列を作り点呼待ちをしている。 今回はどうにかなるが、早めに手を打たないと後で大変なことになりそうだ。
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