一降り目

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因みに旧校舎から新校舎までの直線は地下通路で繋がっている。 そして下駄箱は新校舎……、旧校舎うんぬんよりも、特選クラスに恨みがあるとしか思えない。 ああ、もう一つ新校舎に無いものがあった。 それはエレベーターである。 さすがに新校舎の下駄箱から地下に行きめっちゃ歩いて、その後三階までは辛いと判断されたのだろう。 三十人以上が乗れる大型が設置されていた。 ただし、作動キーを教師が持っているので自由に乗り降り出来ないが。 オレたちが廊下に並び終えて頃には、それ以外のクラスがエレベーターで最後の移動をしたところだった。 まあ、エレベータ待ちにはなるが、オレらしか居ないのは気が楽だ。 しかし前春先生はそうではないらしい。 ゆっくりと下りていることを知らせるランプと腕時計を交互に見ながら、明らかに焦っている。
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