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「……よしっ!」
遂に耐えられなくなったのか、横の非常階段を見つめて強く頷く先生。
きっと、オレの勘違いではないだろう。
全員が嫌な予感がした。
非常階段の扉に手をかけ良い笑顔で力強く言った。
「みんな! 階段で行くよ!」
ほらな! ほらなっ!
エレベーターがもう地下一階に着いて、これがものの数十秒で戻ってくると言うのに……。
「先生! もうエレベーター来るよ!」
誰かが言った、しかし先生は既に動いていた!
「さあ! 急ぐよお!」
非常階段の扉を開きやたらと急がせる。
もう二階まで来てるのに。
そこからがひどかった。
先頭を進む教師、エレベーターを一瞥しながら向かう前半生徒、階段の扉すら抜ける前に到着するエレベーター、先生のキーが無いと開かないエレベーターに嫌な諦めを教えられた後半生徒。
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