一降り目

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「遠いなあ」 本校舎を眺めながら、ぽつりと呟いてみる。 ここは旧校舎の三階。 外からは二階にしか見えない上に、本来は使われていない……、とされている場所なのだが。 「見事なまでに三クラス位あるんだけど」 普通にわちゃわちゃした教室は、外観のおどろおどろしい感じが嘘のようである。 ここは、エブリスタ学園『特選クラス』。 新しい我がクラスメートをゆっくりと見渡す。 普通の人が見たら、何が特別に選ばれているのかまったくわからないだろう。 違いがあるとしたら、変わった色の頭髪や目をした者がちらほらいる程度か。 かく言うコイツも、青みがかった黒髪だが、地毛である。 目も、よく見れば青っぽく見えなくもない。 とは言え、制服を着てしまえばどこにでもいるJKだ。 ちょっと色んなとこの発育が良過ぎる気がしないでもない。
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