9人が本棚に入れています
本棚に追加
まあ、身長の発育は止まったようだ。
一時期あまりの成長速度に抜かれるか!? と恐れた程だ。
だからと言ってオレが低い訳ではない。
170を夢見る160後半である。
まあ、高くもないか。
太ってるつもりも痩せてる気もしない。
腹筋は欲しいけど……。
そんなことを考えながらぼやっとしていると、コイツの声のトーンが低くなった。
「ねえ……、聞いてる?」
おっと、何だか空気が精神的にも体感的にも冷えてきた!
「聞いてるから、続けて」
その言葉に満足したのか、果てしない会話を続け始めた。
俺はそっと、瞬間的に結露した窓を撫でため息をつく。
一学期すらまともに終わる気がしない。
入学式までまだ時間があるのか、担任すら来ていない。
机に擦るように頭を伏せたオレの腕に、ざりっ、とした物が当たる。
最初のコメントを投稿しよう!