一降り目

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恐らく机に貼られた名札だ。 少しだけ頭を浮かせ、ちらりと見る。 『小野芳 八雲(おのよし やくも)』 まあ、オレの名前ですね。 違ったら大問題ですよ。 席に着いてからかれこれ十五分は居ますから。 ふと、隣で訳わからん話を続けているコイツに聞いてみる 「なあ、お前の机どこだっけ?」 すると、首を傾げてこたえた。 「つく、え?」 コイツ、教室入った瞬間からこれか! 「机に名札が貼ってあるだろ?」 オレの言葉を聞き振り返り、背中を付けていた机を見た。 あからさまに不機嫌な表情で机を見下ろした後、周りにある空席を確認し始めると、オレの前で足を止めた。 「そこか。近くで良かっ……た、って! なにしてんだ!?」
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