一降り目

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オレと雪音がヒートアップし始めていると、何かちんまりしたフサフサしたものが、そそくさそうに近付いてくる。 で、隣の席に座ろうとしてビクってした。 「あうぅー!? トイレ行ってる間にぃ、ボクの席の名前が変わってるぅー??」 本来の隣人が泣きそうな顔で机に掛けた自分の鞄と自分ではない名前を交互に見てはテンパっている。 何かちっさくてフッサフサの慌て振りに居たたまれない。 まるで知らない場所に預けられた子犬のようだ。 早よどうにかせんと! 加害者ではないが、関係者なので心が痛い。 「なあ。その机何だけど? ごめんな」 急に声を掛けられ、ビクッと震えてこちらを見る。 獣耳のような寝ぐせ? に、腰まで伸びたフサッフサの焦げ茶の髪。 150ちょっとくらいの身長、同級生とは思えないあどけなさと美少女の部類にくる顔で涙貯めてるとか、最早心臓に悪くて正視出来ない!
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