第1章 序章

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「チリン!チリン!」 如月は保健室のベルを鳴らした。 ここ、エブリスタ学園の保健室はローテクにもチリンと入口の扉の隣に置いてある 釣鐘型の呼び鈴を鳴らさないとロックされた扉が開かない仕組みになっている。 カチャリと機械音の扉のロックが解除された音の後にスーーッとスライド式の自動扉が ゆっくりと開く。 「どうしましたか?」肩パッドの入った白衣に紺色の ガウチョパンツを纏った色気のカケラもない服装の養護教諭の星彩美(ほしあやみ)が 入口に立ち、如月を迎えた。 黒の詰襟五つ釦の学ラン姿の如月。 右側の詰襟にはエブリスタ学園の[E★]の徽章が、左側の詰襟には「参」の期生章が留められていた。 エブリスタ学園には制服着用の学則があるが、制服に採用された服であれば、ブレザーであろがセーラー服であろうが スーツであろうがデパートの制服であろうがキャビンアテンダントの制服であろうが大日本帝國軍の戦闘服であろうが自由である。 学園生であることが判るように、徽章、期生章、名札の3点セットを見える所に着ける事が義務になっている。
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