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あるところに、うそぶき子という女がいました。
うそぶき子は大勢の人たちの前でこんな感じの話を繰り返し言います。
『心がきれいで、善行を積んだ者は天国に行けます。
だから周りの人を助け、人の言葉を信じましょう』
その話を聞いていた一人はひとり言のように
『天国ってどこじゃろかぁ、どんな所なんじゃろぉ』
すると別の一人がひとり言を言っていた老人に
『天っていうぐらいだから、空の上にある国のことだろ。
そんなこともわからないのか、じいさん』
すると、また別の人が
『あたしゃ、外の村で聞いたことあるよ。天国ってのは死んだ後に行ける楽しい国だよ』
その言葉が周りの人達に聞こえるとたくさんの歓声がわきました。
『おお~!素晴らしい、みんな、心をきれいにして善いことをたくさんしていこう!』
うそぶき子は、そう言った言葉が増えてきたのを確認すると、さらに一言付け足して言います。
『心が一番きれいになる善行は、周りの者に自分の大事なものをあげることです』
すると、うそぶき子の話を聞いていた人達の2割ぐらいの人達が、彼女のもとに金貨をたくさん持ってくるのでした。
こうして、たくさんの村を渡り歩き、金貨をたくさん集めていくのが、うそぶき子のやり方です。
うそぶき子は、この村でもたんまり稼げたなと心の中で笑いながら、また別の村に行くことにしました。
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