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「悠生の髪、ほんと、和服に映えるよねぇ。」
「奈津、五月蝿い。さわんな。」
神田悠生、生物学的性別は男。
「こんなに艶やかな黒髪ならいくらでも触っていたくなるよねぇ。今度の新しい着物は少し紺ではなくて藍にしようか。」
俺の髪を触りまくっているコイツは若松奈津子。美容師。俺の着物をコーディネートするのが生き甲斐みたいな奴。
「イヤそうな顔してるけど、今度の茶会は前よりも会場は大きいし、色んな著名人がいらっしゃるでしょ?なら、なおさら綺麗にしておかなきゃ。」
「興味ない。」
俺は一般的には茶人に分類される。師匠からの命で、今度大きな茶会を開くことになった。そこまでは、いい。そこまでは。
だが、師匠呼び出された場所で、撮られまくった写真が広告となりいつの間にか俺には不似合いなくらい大きな会になってしまった。
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