第1章

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「嘘…だろう?」 下腹部がずきずきと痛む。 歩くたび喉の奥になにかが逆流してきた。 「飲まされたか…」 もう少しで成功すると思われた営業が、恐らく白紙になっただろう。 「あいつ…よくも」 会社で一二の営業実績を挙げていた彼の栄光を、奪ったのは私である。しかしまさか…。 お客様を待たせている。例え私のせいでなくても、私の不手際として頭を下げねばならぬ。 あと一駅。駅前すぐのカフェに、お客様は居られる。
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