3人が本棚に入れています
本棚に追加
果たして、お客様はいつもの窓よりの席に居られた。
「佐竹さま、今回は本当に申し訳ありませんでした」
テーブルから一歩離れた場所で最敬礼。いつもお世話になっているお客様なだけに、とりわけ心を込めてお辞儀した。
すると返ってきたのは驚くべき言葉だった。
「なんのことかな?森永さん」
打たれたように顔を上げる私に、佐竹さまは追い討ちを…ではなく優しい言葉を続けざまに掛けてくださった。
「森永さんの紹介してくれる商品は出来がいいからね。それに森永さんは真面目で優秀。一度の遅刻くらいで商談をなかったことにしたりしないよ。本社には、ちょっとした行き違いだって言っといたから」
最初のコメントを投稿しよう!