七、幸せの余韻

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「でも、そんなキースより巧を選んだんだから絶対に後悔しないように全力で幸せになろうって決めたんだ」 ありがとうと、キースに言うとため息を吐かれた。 「後悔してください。もっと良い男になりますんで。で、仕事で顔を合わせているうちに私の良さに気付いても、もう手遅れですからね」 「そっか。向こうでまた仕事でいっぱい会うもんね。巧と一緒だけど」 クスクスと笑うと、キースも楽しみですと笑ってくれた。 なので暫くの間、昨日の薔薇の花束の話を立花さんと話した。 「私なら、会社の一階全てを花で埋め尽くしますけどね」 「でもね、キース。私は量じゃないよ。朝の本の僅かな時間で998本揃えてくれる巧のスマートな所が嬉しかったもの」
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