七、幸せの余韻

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呆然とする私を見て立花さんが小さく吹きだす。 「会社のおばかな女子社員達に、今の可愛い英田秘書の姿を見せてあげたいぐらいですね」 「へ、あっ」 余りにもスマートで、悪びれもせず、そして少しドキッとしてしまったせいで真っ赤になってしまっていた。 不覚。動揺した姿を立花さんに見られてしまうとは情けない。 「ダメダメ。可愛い志野は俺だけのものだから」 「ばっ、かじゃないの。ばっちりキースも見てるわよ」 動揺を隠しながら巧の方へ振り返ると、森元さんも何故か私達を見て赤面していた。 いちいち私達の事で動揺しないでほしい。 「でもまあ、キース以上に巧が私をお姫様にしてくれるらしいから」 「もちろんですよ。悪役お姫さま」 爽やかに笑う腹黒な王子様は私の頭をポンポンと叩くと、自信満々にそう言った。
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