第8章 帝との顔合わせ

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あたしは今、ひっじょーにげんなりしている。 「ねえ夕、どっちがアリアに似合うと思う?」 「……右かしら」 何をしているかって? 翔也のアリア第1王女への感謝の気持ちのプレゼント選びに付き合わされているのだ。 学園の敷地内で待ち合わせると他の女子に呪い殺されそうだったので、広場で待ち合わせにしたら「デートみたいだね」とか赤面してのたまわれて裏拳かましたのが午前の事。 それからすれ違う女達に嫉妬の目で見られるという苦行に耐えつつ雑貨屋やら喫茶店に行ったりしていた。 ……ああ、いつものマントが欲しい。フード被りたい。 「ていうか、翔也なら買うより手作りした方がいいんじゃないの?」 「手作りだと何か重くない?」 お前は乙女かっつーの。 因みにアクセサリーの話だ。長年の腐れ縁のお陰か、こういうところは主語を抜いても伝わったりする。 「手作りの方があの方に合ったデザインとか安っぽくならなかったりするからいいと思うんだけど」 「うーん……それもそうだね!じゃあ材料調達に行こう!」 「はいはい……」 因みに、なぜ第1王女だけにプレゼントなのかというと、学園に来る前まで城に住まわせてもらっていたのだそうだ。第1王女の厚意で。 まあ惚れたからっていうのもあるんだろうけど、個人的にアリアさんはハーレムメンバーなのが不思議なくらい人格者だと思っているので、身寄りのない翔也を哀れんでっていうのはあると思う。 ちょっと翔也と接してれば裏表のない正直者(馬鹿)だから信用は出来るっていうのは分かるだろうし。 「ところで夕、なんで手袋してるの?」 「あなたにあたしの種族言ってなかったっけ?吸血鬼なのよ、だから日光に弱いの」 「えっ、吸血鬼ってこの世界だと伝説生物なんじゃ……」 「選択肢にあって最強だったんだもの」
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