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第2闘技場の約2倍の面積を誇る第1闘技場。
今はその観客席が半数近く埋まっていた。
それはつまりほぼ全校生徒がいるという事で。
「逃げなかったのは褒めてあげる!」
「なぜあたしが逃げなきゃならないのか、理解に苦しむわ」
全校生徒の前で背後に屈強な男達20人を従えた黄色いツインテールの少女とくだらない言い合いをしているという事実に少しだけおかしくなった。
「な、何がおかしいのよ!頭でもおかしくなったわけ?」
「いえ、ただ……決闘ってこんなに“ヌルい”ものなのかと思っただけ」
試合はとっくに始まっている。
なのにこの少女はお喋りに興じて、あたしが何も仕掛けていないと疑いもしていない。
黄色い少女は馬鹿にされたと思ったらしく、顔を真っ赤にして怒鳴った。
「~~~っ!行きなさいあんた達!手足くらいは切り落としてもいいから!」
しかし背後の男達は動かない。
「何して……!」
「あらぁ?動かないみたいね?まあ当然よね?気絶してたら…ね」
あたしは闇属性最上級魔法【マリオネット】を解除して、気絶したまま立たせていた男達を解放した。
途端にドサリと音を立てて全員倒れ込む。
「これで1対1ね?」
「っ!?……役立たず共が!」
余裕の表情だった少女は焦燥感を露わにし、歯を食いしばって魔武器と使い魔を召喚した。
魔武器はレイピア、使い魔はサンダーバードという上位使い魔だ。
「ロイを馬鹿にした事、後悔させてあげる」
あたしはルシファーを喚ぶと共に、何の変哲もない片手剣を【ボックス】から取り出して掲げた。
観客席のテンションが一気に上がる。
……そう、これは最悪の悪意ある言い回しでロイの過去をほじくり返してくれた貴族のお嬢様への制裁だ。
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