間章 とある転移者の場合

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そしてきっかり10日後、おれはイノリア学園という国内最大規模の学園の前に立っていた。 概ね予定通りにいったのだが、誤算はギルマスの異常な強さとおれのランクの低さ。 ギルマス、あの優男チートだろ。身体能力は最強のはずだから余裕だと思ったのに、目で追えない速度で攻撃かましてきやがった。魔法も握り潰されるし。 何よりムカつくのが、「この程度か……」っていう独り言。お前がチート野郎なだけだろっつーの。絶対帝のトップだあいつ。 そのせいでギルドランクCからスタートとか微妙な感じだったし。依頼ボード見てもCじゃ微妙なのしかなかったからろくに受けてなくて、まだランクはCのままだ。 おれはドラゴンとかと戦いたいのに、イノシシ狩ってこいとか言われても知らねーよって感じだ。 あと、おれはイケメン野郎に魔力無限っつったのにたった4000万ぽっちしかなかった。 お陰で水晶割れも溶けもしなかったんだよな、畜生。まあ属性は火、水、風、地、雷、光、闇で“全属性”だったからいいけど。 ただ気になるのが受付嬢が全然驚いてなかったんだよな……タイプじゃなかったから魅了使わなかったけど、使って驚いてない理由を聞き出せばよかったかもしれない。 ああそうだ、大事な事を言い忘れてたな。 おれは運命の人と出会ったんだ。 スズなんて目じゃないくらいの美人で、髪も変にカラフルじゃなくて黒髪ロングで好みど真ん中。 話し掛けるタイミングがなかったから魅了使えなかったけど、高校生くらいの見た目だったし学園に通ってるだろう。おれはお楽しみは後に取っておく派なんだ、ゆっくり攻略すればいいさ。 さあ、おれのハーレム学園生活の始まりだ。
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