第20章 臨海学校

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「ところで今日は一般客もいるんだろ?」 「何かね、イベントもあるみたいだよ~!」 「イベントかあ、楽しそうだね」 海岸に行くと、すでに大勢の人で賑わっていた。 この内の大多数がイノリア学園の生徒だろうけど。 あたしは【ボックス】からビーチパラソルを取り出して、さくっと砂浜の一画に刺した。 「よーし!遊ぶぞー!」 アミナが勢いよく服を脱ぎ捨てた後に、男子組からの視線に気付いて縮こまった。 「そ、そんなに見なくたって……」 「男の性だ!似合ってるぞアミナ!」 ラインがグッと親指を立てる。 ……あれ、何も考えずに言ってるんだろうなあ。アミナも「そんなところが好き」って言ってたし。 「ユ、ユウ達と選んだんだから当たり前でしょ!ほら!チー達も脱いで!」 あたしは回避したが、チーとロイ、ルイが服を脱がされて、ルイ以外が海に走っていった。 「元気ねぇ……」 「年寄り臭い事言うなよ」 「実際年寄りよ、あたし。歳は数えてないけど」 「ああ、あの空間にいたら歳は分からなくなるよな」 ビーチパラソルのお陰で日陰なので、肌が痛む事はない。でも蒸し暑いな、さすがにパーカーの前を閉めてると。 「じゃあ脱げよ」 「あらルシファー」 ルシファー、ルテ、セラフィム、オリジンが水着姿でやってきた。 見ようによってはオリジンのプチ逆ハーに見えない事もない。雰囲気が友人のそれだからあまりいやらしい感じはしないけど。 「ほいパチンとな」 ルテがパチンと指を鳴らす。すると生温い風を地肌に感じた。見るとルテはあたしのパーカーを手に持っている。 「無理矢理脱がさないでよ……ていうかルテは何か着た方がいいわよ」
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