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「おや、アヤセさん達じゃないか」
「かっ、かかか会長様!?」
そう、料理を運んでいたのは我らが麗しき会長様だった。
しっかしアミナは憧れの会長を前にしてテンパってるな。
「あの…なぜ会長がこんな事を?」
「私だけではない。今現在この海の家は生徒会が運営させてもらっている」
だから何で!?
あたし達の不思議そうな顔を見て、会長はおかしそうに笑った。
「いやなに、大した事情ではないんだ。この海の家を経営していた家族が、身内が倒れたという事で海の家を開けなくなってしまったらしくてな。
海水浴で海の家がないと客が困るだろう?だから我らが申し出てやらせてもらっているんだ。
他の生徒会メンバーには申し訳ないが、私のわがままに付き合ってもらっている」
っはー、善人だな。
見てみれば確かに会計先輩と庶務さん以外忙しく動き回ってるわ。
上記の2人は多分、料理作ってるんだろうな。
会長は運んでいたラーメンを注文のテーブルに置き、客にキラースマイルを向けて撃沈させてからこちらに戻ってきた。
「さて、君達も料理をご所望だろう?ここで食べていくのか?」
「いえ、ビーチで食べるので持ち運べるものを10人前お願いします」
「承った」
会長は裏(厨房があるのだろう)に回ると、「キーツ、メルフ、焼きそば10人前だ!」と叫んで料理を運ぶ作業に戻っていった。
「はうん……働く会長様、素敵……」
アミナは目をキラッキラさせて会長を超見てる。
しかし、どんな所にも無粋な奴はいるもので。
「ねえ君達可愛いね!俺らちょうど男だけだしさ、一緒に遊ばない?」
ちょうどって何がちょうどやねん、と突っ込みたくなった。
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