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「生憎と男の連れがいるので」
「ええーっ、そいつらより俺らと一緒の方が絶対楽しいって!」
ええ……何こいつら。
再度断りの言葉を紡ごうと口を開きかけるが、手首を掴まれた。
「ねっ?ほら行こうよ!おーい、かわい子ちゃんが一緒に遊んでくれるってよ!」
「マジで!?おお!みんなレベル高いじゃねーか!」
チャラ男の仲間が増殖した。
何て強引な……。
「主の手を掴むとは命知らずな奴らだ」
「…………ね」
ちょっとオリジンとチーもあたしに丸投げしてないで助けようよ。
アミナは……駄目だ、こいつらアミナよりよっぽど弱いのに怯えてるし。
呆れて黙っていると、諦めたと勘違いしたのか腕を引っ張りだした。
人間にしては強い力で引っ張られてるから「痛っ」とか言うべき場面かもしれないけど、こちとらチートボディなもので痛くも痒くもない。
ついでにいくら引っ張ってもそんな貧弱な身体じゃあたしを動かすのは無理だと思いますよ。
「……お客様」
その時、地を這うような声が掛けられた。
「当学園の生徒に無理矢理ナンパは止めて頂けますか?
……摘まみ出すぞ」
「い、いや~、俺らは別に、この子達とお喋りしてただけで……アハハ…じゃあね~……」
ドスの効いた声でチャラ男を追い出した全帝は、顔を顰めてこちらを振り向いた。
「イルトさん、ありがとうございます」
「アヤセなら自力でどうにか出来ただろうに……。
というか、お前達は目立つから虫除けの男を連れ歩け。連れ歩ける奴は沢山いるだろう?」
おっと、ルシファー達の事バレてら。
「今度からそうします。絡まれるのは面倒だし」
「そうしろ。……ほら」
積み上げて持っていた焼きそばを手渡される。
ああ、やけにいっぱい持ってるなーと思ったらあたし達のですか。
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