第21章 臨海学校、後半の部

3/10
3768人が本棚に入れています
本棚に追加
/449ページ
『それでは、カップル杯を開催いたします!お集まりいただいたのは30組のカップル!早速自己紹介をしていただきましょう!』 他のカップル達とステージの上に上げられて、司会がマイクを1組目に手渡す。 「ジョン、ミリー」 「「2人の愛は永遠です(はぁと」」 「え、あんなテンションでいくの…?」 思わず呟くと、ルテは小さく笑った。 「俺は別にいいけど夕は困るでしょ?学園の生徒も見てるし」 「そうだった……出場を決めたのは早計だったかもしれないわ」 学園中にルテが彼氏だと勘違いされるのか……別に勘違いされて困る相手もいないしいいけどさ。 『お次は……おおっと!噂のニュービー、《魔導》さんですね!?自己紹介、お願いします!』 「ユウ・アヤセです」 「ルテだよー。よろしく」 『《魔導》さんの彼氏は好青年なイケメンだったあああ!私驚きも冷めませんが次に行きたいと思います!』 *   *   * この海の家からは特設ステージがよく見える。 「イルト、手が止まっているぞ」 「あ…すみません」 生徒会長、レイリ先輩に注意され、慌ててテーブルを拭き始める。 「……気になるなら見に行って構わないんだぞ?」 「いえ、人手が足りていないでしょう」 「えー、でもさあ…ユウちゃんの彼氏が気になるんでしょ~?」 先ほどから風紀委員長、ナギリ先輩と居座っている、風紀副委員長のニーナ先輩が唇を尖らせる。 「……あれはアヤセの使い魔だったはずなので」 「でもでも、使い魔と愛し合う人だっているじゃ……むぐっ」 「余計な事を言うな、ニーナ」 ふざけた名前のイベントは先ほどから始まっており、名前に似合わず本格的な身体能力や魔力探知を必要とする種目ばかりのようだ。
/449ページ

最初のコメントを投稿しよう!