第21章 臨海学校、後半の部

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『さあ!最後の問題、無事通過なるか!お2人共、ボードをどうぞ!』 ボードを前に向ける。 『正解は?彼氏さんから答えてくださいね!』 「なし」 「水」 『……正解の模様です!今大会始まって初の全問正解に私驚きを禁じえません!例年通りならば優勝確定です! それでは次のカップルさん、どうぞ~』 あたし達は特設ステージの端に向かう。 「これで一安心かな」 「出場して負けたら赤っ恥だったわよ」 「はは、違いない」 ステージの端で、周囲をイチャつくカップルに包囲されながらも観戦していたが、結局全問正解はいないどころかカップル破局の危機まであった。 他人の騒動は面白いよね。 その後2位3位決定戦で更に質問が重ねられ、何とか順位が決定。表彰式になった。 『1位のカップルさん、景品の恋愛成就の呪い(まじない)が掛けられたペアリングになります!優勝しましたが、何かひと言どうぞ!』 この何かひと言ってけっこう無茶ぶりだと思うのあたしだけ? 「えー、実はあたし達はカップルじゃありません」 「えーっ、俺は夕を愛してるよ!」 「そういうのいいから」 『……会場の皆さん、せーのっ!』 「「「ええええええええ!?」」」 大変息の合った叫びだったとだけ言っておこう。 「優勝できてよかったね!」 「ルテの最低さが浮き彫りになった戦いだったな!」 純粋に嬉しそうに出迎えてくれたアミナと違って、セラフィムは実に楽しそうにニヤつきながらのお出迎えだった。 「ルテの事だからそんな事だろうと思ってたわよ。女の扱いに慣れすぎてるもの」 「ルテ、バレてたってよ」 「んだよー!そういうルシファーだって昔は取っ替え引っ替え……むぐぐっ」 「余計な事は、言、う、な」 取っ替え引っ替えしてたんだ。 あれ、ちょっとモヤッと感。
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