第22章 邪神のお散歩

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「ボクが邪神だとして何だっていうのさ」 『あ、邪神がかなり苛ついてるわよレナリアさん』 女は唇を固く引き結んで、そして開いた。 「フードを外して」 「は?」 「あの子が邪神に取り憑かれているかもしれないなんて一大事だわ。あの子かどうかを確かめないといけないの」 (あの子って夕の事?) 『多分ね』 夕は何だか現状を面白がっているような気がする。 ボクは不快極まりないんだけど。 「……顔見せる代わりにここから出してよ」 「それは無理よ」 「何で?ボクと宿主は共存してるんだよ?」 「そんなわけないわ!邪神に身体を乗っ取られたら自我が消えるって……」 「取り引きしてるから消してないの!あーもーめんどくさいなあ!」 ボクが苛々と手を振ると、それに合わせて邪気がぶわりと広がった。 「う…っ」 「何だ……この濃密な邪気は……」 「もう時間切れ。ボクは行くね。バイバイ」 返事を聞かずに【転移】を発動した。 「……【転移】出来るんじゃん!我慢して損した!」 『城の牢なんて早々入れないわよ?貴重な経験積めてよかったじゃない』 「よくないよ……」 そんな経験積んでも嬉しくないよ……。 『まあまあ、出れたんだしチョコレート専門店行きましょうよ』 (うん!そうだね!) そこらで売ってるチョコレートとは一線を画す美味しさ。 ああ、思い出しただけで唾が溢れる!
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