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若い女性客が圧倒的に多い中で、紺色のローブにすっぽり身を包んだボクはかなり浮いていたけど、気にしないでチョコレートを満喫した。
はあ、美味しかった。
(夕、今日はありがとう)
『どういたしまして。もういいの?』
(うん、満足したよ)
ボクは【転移】で夕の家に戻る…と、怪しいローブ集団が待ち構えていた。
「【ライトチェーン】」
「ちょっとぉ……またぁ?」
本日二度目の拘束、しかも両方光属性。
別に邪神だからって光属性が苦手なわけじゃないんだけど?
ボクの漏らした声を聞いたローブ集団に動揺が走る。
「本当にユウと同じ声なのね……」
「でしょう?」
「気配もな」
と、黄緑ローブが突風を吹かせてきた。ぐるぐる巻きにされているから手で押さえる事も出来ず、呆気なくフードは外れる。
「アヤセの顔で金の瞳……邪神に乗っ取られたのか……」
銀ローブが辛そうに言うが、ボクは顔を顰めて言い返す。
「だぁからぁ!ボクらは共存してるの!何なら夕に代わるよ、それならいいんでしょ?」
夕に丸投げする形になってしまったが、こいつらは夕の知り合いっぽいしどうにかなるだろう。
* * *
ふてくされた邪神に身体の支配権を譲られて、目を開ける。
動揺した帝達がこちらを注視していた。
「ユウちゃん…なのかい?」
ギルマスが警戒した様子で尋ねてくるので、苦笑いで答えた。
「邪神の言っていた事は本当よ。身体を共有してるの。
……あなた達に最初に言っておけばよかったわね、今日は邪神が食べ歩きしたいからって身体を貸したのよ」
「食べ歩き…?」
邪神のイメージとはかけ離れた理由に、皆ポカンとしている。
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