第24章 ラジェル家の事情

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「あの《魔導》様が依頼を受けてくださるなんて……」 あのって何?悪い意味じゃないよね?ね? 「詳しいお話をお聞かせ願えますか」 「詳しい話…?依頼書に記載してある通りですが……」 男性(おそらく彼がサンク・ラジェルだろう)が怪訝そうな顔をした。 「どういった経緯で依頼書の人物を探す事になったか、などの詳しいお話です。銀髪は早々いませんが、間違えて連れてくるのも問題でしょう?」 「それもそうか……」 「あなた……」 目を閉じたサンクさんの手に自分の手をそっと添える女性。 あーあー、何て茶番。 「……その依頼書の人物は我々の息子です」 「家出でもされましたか」 「……いや……追い出したのです」 「追い出した?」 あたしは分かりやすく片眉を上げてみせる。 同時に夫妻の肩が跳ねた。 「あの子が……5歳の時に、魔力を暴走させ……それに恐怖した我々はあの子を追い出しました」 「僅か5歳の子供を、ですか」 「……」 夫妻は俯いて、無言。 あたしは質問を変える。 「それで、なぜ追い出した子供を今更探すのです?」 「会って、謝りたいの…!そしてまた家族として…!」 ああうん、前半はともかく後半は無理あると思うけど。 サンクさんも微妙な顔してるし。 でもま、謝りたいって話なら全帝を連れてきてもいいかもしれない。 せっかく同じ世界に家族がいるんだから、和解しておいた方がいいと思うのだ。 「あたしの知り合いに、銀髪の男がいます。年齢は19歳」 夫妻は揃って息を呑んだ。
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