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実況は綾瀬がお送りいたします。
さあ、まず初っ端いい一撃を入れられた夫妻は、顔を強張らせております。
「そ、それは本当に済まなかったと……」
「謝って済む話か?あんた達は俺が死んでも構わないと思って捨てたんだろ」
「そんな事……!」
「ないとは言わせねえぞ。無一文で武器も持たせず魔物がうろつく外に追い出したんだからな」
淡々と夫妻の言葉を遮りまくる全帝、絶好調です!
淡々としているからこそ、怒りが滲み出ていますねぇ。
「で?何で呼び出した」
「謝って、もう一度家族に……」
「ティア!」
夫人の名が判明しました。
全帝の冷たい目に懲りずにそんな事を言い出すティアさんをさすがに咎めるサンクさん。
全帝は極寒の眼差しになりました。背後にブリザード吹いてます。
「ふざけるなよ」
「イ、イルト……」
「あんたって昔から現実見なかったよな。たしか俺が魔力を暴走させた時も一番最初に『わたしの子がこんな事するはずがない』とか言ってたな。あの時から全く成長してねえじゃねえか。救いようがない」
「な……」
舌鋒鋭く言い切った全帝に、絶句するティアさん。
ま、ちょっと言い過ぎな感じもするけどそれだけ全帝の恨みは深かったって事ですよね。
「話はそれだけか?なら俺はもう行く。行くぞ、アヤセ」
「はーい」
おっと、全帝はもう行きたいらしいですのでこの辺で。
実況、綾瀬でした~。
「待ってくれ!」
お?サンクさんが全帝を呼び止めた。
そこで立ち止まるあたり、全帝も本心では和解したいのかもしれない。
当時の辛さや絶望が邪魔しているだけで。
「家族になんて世迷い事は言わない。だが…時々でいいんだ、顔を見せにきてくれないか!?」
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