第27章 領民との交流と第1王子

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休日は、広大なルグルド領の街の中を歩き回るのがいつの間にか習慣になっていた。 あたしの奴隷達も鍛錬の合間に街に顔を出し、ついでに治安維持のような事もしているらしい。 あたしが居を構えたからというよりもリーア達のお陰だろうが、ここ最近はかなり治安が良くなったと思う。 新しい領主にもかなり感謝されたし。 ただ、不満があるとすれば、ならず者をシメる為に最適な格好とはいえ、ローブ着用でフードも被らなければならない事だ。 身バレするわけにはいかないので致し方なしなのだが、何とも窮屈だ。 「《魔神》様!新鮮な果物が入ったんだが、買っていかないかい?おまけするよ!」 「ああ、買わせてもらおう」 「《魔神》様、ちょっと手伝ってほしい事が……」 「何だ?」 「広場に噴水を作りたいから水を引いてほしいんでさぁ」 「これでいいか?」 「おお!早え!ありがとうごぜえやす!」 「《魔神》様!」 「《魔神》様!」 ……あと、怖がられなくなったのはいいけど、ここの人達極端というか何というか……めっちゃ人懐こく声を掛けてくる。 最初の頃は荒んだ目で警戒されていたのが嘘のようだ。 「あ、《魔神》様!いいところに!」 「何だ?」 見回りの兵があたしを見つけて駆け寄ってくる。 「いやー、商業区にいらしてよかった!全区を探し回る事を考えたら気が遠くなりますし!」 新領主に相談されて、素人考えながら提案して、採用されてしまったのが区分けだ。 商業区、農業区、工業区、歓楽区、中央区。領主の館は中央区にある。 「領主様がお呼びです。お手が空いていらしたら来てほしい、だそうですよ」 「すぐ向かう」
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