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「すいませ~ん!あの~、ちょっとお尋ねしたい事があるんですが、何方かいらっしゃいませんか?」
そんな声が玄関先からしたのは突然だった。
道に迷った旅人のようなニュアンスで、誰も警戒などしなかった。
一山丸ごと買って建てられた家は、何かから隠すようにして、結界が張られている。
普通、入るときは合言葉と特殊な鈴を用いらなければ入れない。
だが、その…声からするに若い男が何も用いらず敷地内に入っている。
この異常さに気づかなかった。
…いいや、気付けなかったのだ。
この時すでに、家にいたものは敵の術にかけられていたのだから。
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