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裏山の祠、いや扉か…
一体何なんだ?
そう言えば…管理を任せてた癖に、『祠には絶対に触れるな、半径500m以内には近づくな』…とかよく言ってたな…
まあ…今となってはその命令など守ってる場合ではないな。
というか、命令されたし…行けって。
しかし、祠の場所は分かるが、言ったところで抜け道の類は見当たらない筈…
何故父上は祠へ向かうよう命令したんだ?
結界が突破された時点でこの裏山も後に侵入される事は明白だ。
それに、あの結界は魔法に関しては世界top classの母上が張ったもの。
…それを破るほどの刺客とは。
一体何者だ?
まあ、只者では無いだろうな…うん。
僕でさえ、傷1つ付くか付かないかぐらいだ。
そんな奴が目の前に現れたら……
はあ…今はウダウダと考えてられなさそうだ。
兎に角、今は慶兄と向日葵を案内する事だけを考えよう。
様々な考えがグルグルと頭を巡る中、僕は慶兄達の前を先導して走る。
足音を消し、素早く地をかける。
湿った空気が木漏れ日さえも、重くする。
ポニーテールに結われた長い金髪。
揺れ動くたびに光り輝き、数束のオレンジ色の髪はその髪をより印象付ける。
それは見たものを惹きつけてやまない魅惑の髪。
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