第2章 月夜見の実力と追っ手

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一番近くいた慶兄に2人は的を絞ったのか、走りこむスピードを上げた。 右側にいた男が先に斬りつける。 が、あっさりと躱され、背中に一発肘を入れられた。 左側の男は慶兄が躱したと同時に斬りつけたものの、蹴りを腹にお見舞いされていた。 「殺す必要ないだろ?」 何もなかったみたいに涼しい顔して剣納めてる。 「ええ…まあ。」 その様子に苦笑いするしかなかった。 ちなみにもれなく、その2人は気絶していた。 その余りの差に他の追っ手は標的を変えようとした。 だが頸動脈を一撃で斬られ、半分程が血の雨と共に地に倒れ伏していた。 向日葵が気配を殺してやったのだろう。 向日葵は、黒髪に毛先近くから暗い紫色。 耳ぐらいの高さで青リボンでツインテールにしてる。 少し垂れ気味のライトグレーの瞳はアメリカンショートを思わせ、白肌、薄い唇が合わさり、美少女と言える容姿だ。 「兄上、兄様終わりましたよ!」 僕を兄上、慶兄を兄様と呼ぶところも特徴だ。 短剣についた血糊を払い、納めた向日葵は元気いっぱいに手を振って来た。 …うん、天使だ。さっきまで殺人してたとか思えないレベルで。 「了解!」 声を少し張り、返す。 流石に妹に天使だ~!なんて叫べるわけないし。 「お疲れ様、向日葵。」 慶兄が優しい笑みを浮かべ、労う。 …ここが戦場になってなかったら、大層惚れる女が出そうなものだ。
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