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一番近くいた慶兄に2人は的を絞ったのか、走りこむスピードを上げた。
右側にいた男が先に斬りつける。
が、あっさりと躱され、背中に一発肘を入れられた。
左側の男は慶兄が躱したと同時に斬りつけたものの、蹴りを腹にお見舞いされていた。
「殺す必要ないだろ?」
何もなかったみたいに涼しい顔して剣納めてる。
「ええ…まあ。」
その様子に苦笑いするしかなかった。
ちなみにもれなく、その2人は気絶していた。
その余りの差に他の追っ手は標的を変えようとした。
だが頸動脈を一撃で斬られ、半分程が血の雨と共に地に倒れ伏していた。
向日葵が気配を殺してやったのだろう。
向日葵は、黒髪に毛先近くから暗い紫色。
耳ぐらいの高さで青リボンでツインテールにしてる。
少し垂れ気味のライトグレーの瞳はアメリカンショートを思わせ、白肌、薄い唇が合わさり、美少女と言える容姿だ。
「兄上、兄様終わりましたよ!」
僕を兄上、慶兄を兄様と呼ぶところも特徴だ。
短剣についた血糊を払い、納めた向日葵は元気いっぱいに手を振って来た。
…うん、天使だ。さっきまで殺人してたとか思えないレベルで。
「了解!」
声を少し張り、返す。
流石に妹に天使だ~!なんて叫べるわけないし。
「お疲れ様、向日葵。」
慶兄が優しい笑みを浮かべ、労う。
…ここが戦場になってなかったら、大層惚れる女が出そうなものだ。
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