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2人が離れた事を気配で確認し、僕はさらに深く意識を集中させていく。
相手の息遣い、心音、動作…その全てを認識下に置くように…
「…なあ。お前の剣術って殺人剣術だろ?そっちの2人とは雰囲気がまるで違う。雰囲気だけなら、人間じゃないぞ。」
背後にいる男が不意に話しかけてきた。
声に震えはなく、単純に気になったから斬り合う前に聞いておきたかった、というところなのだろう。
こっちからすれば、傍迷惑な事だがな。
「…当たりだ。だが俺は人間だ。」
無感情で抑揚のない、冷えた声が空気を切り裂く。
「そうか……で、最後に1つ聞く。お前、年はいくつだ?」
さっきから…何なんだ、この男?
斬り合う定めの者と話すなど…呑気にも程がある。
漫画やアニメじゃないんだぞ…これは。
待った無し、斬られたら死ぬ…リアルなんだよ。
それを分かってんのか?
「…8歳だ。これで満足か?」
殺気を瞳に集中させ、鋭く睨む。
こちらの意図を察したのか、男は閉口した。
もう、時間的猶予はほぼ無い。
早めに片付けるとするかな。
両者共に剣を構えた。
先に斬りかかって来たのは後ろの男。
その刃を『後ろを向いたまま』避け、素早く後ろに振り上げた右足の靴底で蹴り飛ばす。
動揺の色を見せる男に、左足も振り上げ、バク転しながら両足で剣を蹴り折る。
そして折った剣身を、着地して直ぐ右回し蹴りで心臓目掛けて弾き飛ばす。
「ゴハッ!」
その間、僅か0.5秒。
何が起きたのか把握出来ぬまま、あの世行き。
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