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『二人きりって、いつも登下校二人で来てんじゃん』
「ちっがーう!中学以来一緒に遊んだりしてないから、デートに誘おうと思います」
『へえー』
「で、今は夏!露出高めの服着て2人きりになったら…グフフ…」
『…お前は変態か』
「え?違う違う!女を見せつけてやるって事で…その…」
『はいはい。まぁ、白石くんをデートに誘えるかが最初の壁だけどね』
「ぐ…」
そんな話をしてると春樹が女生徒の髪をセットし終え
こちらに駆け寄ってきた。
『お待たせぇ!何見てるの?』
「なんでもないし!ったく、人待たせておいて呑気なやつ」
『ごめんね?』
「別に…帰るよ!」
『はぁい』
私と春樹のやり取りを見てた由美が深いため息をつき
私に耳打ちしてきた。
『そんなんでデート誘えるの?』
「…うぅ、で…できる!今日誘ってみるもん!」
『ほぉ~?明日吉報楽しみにしてるからね』
「ぐぬぬ…」
私は昔から春樹を前にすると素直になれない。
というか、出会った当初は素直だったんだけど、意識してからだ。
自分のねじまがった性格に肩を落としてると
『エリちゃん?どぉしたの?』
心配そうな顔でこちらを窺ってくる春樹に胸がきゅんきゅんする。
「うっさい!なんでもないから、春樹は黙ってついてくればいいの」
『あはは、ごめんね』
自分で言って更に凹んでると由美と目が合い
「おバカ」と口パクで言われた。
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