嘘……なんて、ない。

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確かに今の人生って、なんなんだろうってひとりでいるとよく思う。でもそう思っていたからって、じゃあ明日からこうして頑張っていこう、なんて思えるはずもなく。 ただ、昨日と同じ今日が始まるだけで。 もしも今、そんな私の運命が変わったなら。これから、もしかしたら明日にでも何か……素敵な事が始まるのかもしれない。 そう考えたらここのところずっと沈み込んでいた気持ちがふわっと軽く、明るく灯をともしたように暖かくなった。 『よかった、君を救えて』 「あ、ありがとう。でもどうして今日がその……今日の事がわかったんですか?」 ホッと安堵した声が耳から入って、頭の中を痺れさせる。しまった、名前を聞いて連絡先を聞くべきだと後から気付いた。 それを問う前に、電波の向こうから静かな声が流れ込んできた。 『数年前の今日が、僕の命日だからさ』 言葉はするりと流れ込んでくるのに、意味が理解できない。 キョウ ガ メイニチ ダカラ 「えっと……?」 スマホが次第に熱をもつ。 スマホを持つ手が震える。 『僕は、君の前世の姿なんだ』 ふと、視線を感じて、横を見た。
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