来栖妃那編 《見つかっちゃった…》

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気になるのは、あの常習犯のこと。 あの人はちゃんと帰れたかしら。 父の部下たちには見つからなかったかしら。 あの後、あの家には来なかったかしら。 私がいなくなって 逃げたと思われたかしら。 考えても仕方がないことを考えてしまう。 私を探してくれたようだけど なら、どうして私のことを訊いてこない。 それはカラダが目当てだったから? 気が滅入っている時には 負のループにハマって落ちて行くもので。 考えないようにはしたいのに 勝手に頭の中にあの男が出てくるから、仕方がない。 あの男からは 私の名前は一切出てこなかった。 と言うことは、私の本名は知らないのだろうか? 知ったから探した。とか? やめようやめようと思うのに。 そんな事ばかり考えて過ごしていた。
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