来栖妃那編 《どこ行った?》

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_______________ ____________ _________ 「ぐっぐぅぅぅぅぅぅぅぅ・・」 ・・・。 自分の腹の音で目が覚めた。 見上げた天井 なんだか、懐かしい。 昔、田舎の祖母ちゃんちで過ごした 夏休みを思い出した。 視線だけキョロキョロと彷徨わせ 大きなベッドに寝ているのは、俺ひとり。 ガバッと起き出した。 --- そうだ!思い出した。 昨夜やっと彼女を見つけたんだ。 見つけて、何も聞き出す前に ヤることだけはヤっちまったんだ。 --- 何時だ? この部屋には時計と言う時間が分かるものがない。 時計だけじゃない。 不要なものが何もない。 違うな。必要なものもないんだ。 ベッドの空いている部分には 畳まれた俺の着ていた洋服。 コートはちゃんとハンガーかけされている。 手早く服を着た俺は 例の傾斜の厳しい階段を ケツを付けて下りながら 1階で彼女の姿を探すが・・・ --- いないな。仕事に行ったのか?
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