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--- 一旦ホテルに帰るかな。
恭子・・・じゃないな。
本名を訊きそびれちまった。
あいつが仕事が終わるのが
たしかお昼過ぎだったはず。
もう一度あいつに会って
いろんなことを訊き出してから
東京に帰ろう。
いい加減、連絡をしないと
運転手も気が気じゃないだろうしな。
カギをかけたくてもカギがない。
ってか、この扉のカギ穴
詰まってんじゃねえかよ。
いくら田舎だからって。
若い女がひとりで住んでるんだ。
--- 直せよ!
車一台通れるくらいの狭い道を歩き
ぐるっと回ってすぐに着いたホテル。
あの時、
山のホテルの予約が取れてたら
昨夜の偶然はありえなかった。
神様にお礼でも言っておくか?
正月のお賽銭を奮発してやろう。
それとも、昨夜の流れ星のご利益か?
「おーい!開けてくれー」
カギを持っていない俺。
中にいる運転手に声をかけると
「・・・・・・・・・・・」
中は無言。いないのか?
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