来栖妃那編 《どこ行った?》

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「こいつらはどうしたんだ? 今日も仕事じゃないのか?」 俺が帰ってきても寝続ける強者たち。 「昨夜は10時過ぎまで仕事だったらしいです。 それなのでお昼から始めるって事で」 「ああそうか。今日で終わらせるために 遅くまでやるって言ってたな」 ここで働いている職人は ほとんどが下請けの地方から来ている会社の社員。 28日からが通常の休みだが 出稼ぎさんたちは 少し早めに取ってもらうことにしていた。 その為に、昨夜はキリがいい所まで 遅くまでかかって仕事をすると言う事だった。 なら、起こすのも可哀想だな。 どうせ今日の仕事は片付けだけだ。 「フロントに行って、 お昼まで使わせてもらえ」 運転手に指示を出すと 「へい!」 チンピラのような返事を返された。 すぐに出て行ったあいつ。 あっという間に戻ってきた。 「社長。 中田さんからメッセージが届いてました」 一枚の紙を持って帰ってきた。 「何で電話をよこさねえんだ?」 不審に感じて、自分のスマホを確認すれば 「げっ!不在着信がすげえ・・・」 「あ!俺もっす!」 俺らに連絡がつかないから 仕方なしにホテルに頼んだのか。
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