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《午後から1件アポが入ってます。
遅くとも昼前には戻っていてください》
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
運転手も紙を覗き込んで
お互いに無言。
「お昼前って・・・」
「大変だ!今すぐ戻らないと!」
すでに11時になろうかとしている時間だ。
今から出て、会社に戻ったとしても
お昼は回ってしまうだろう。
「おい!おい!俺らは先に帰るから。
2時までこの部屋は借りたからな。
ちゃんと仕事に行けよ!」
仲がいいやつなのだろう。
足蹴にしながら喋ってやがる。
荷物なんてほとんどない。
俺が着ていた服を脱いでスーツに着替え
「さあ行きましょう」
「・・・仕方ねえ。帰るか」
もう一度彼女に会いに行こうと思ってたのに。
それを邪魔されちまった。
後ろ髪引かれる思いでホテルをあとにし
事務所まで運転手に運転をさせ
事務所で真野を拾って
今度はこいつに空港まで送らせた。
やってきた空港には
うちが頼んだヘリが到着していて
もう1機がちょうど降りてくるところだった。
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