来栖妃那編 《どこ行った?》

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「ちょっとお待ちください。 あのヘリが完全に着陸するまでは 出られないそうです」 ヘリのブレードが回転するうるさい中 大声で俺に説明する真野に 「どこのヘリだ?」 「来栖社長の個人のモノだそうです」 「来栖?」 --- 何だってあの人のプライベートヘリがここに? 「来栖は島でも仕事を取ってたのか?」 「いえ。聞いたことはありません。ですが ここにはチェーン店が入ってますからね。 そっちの方の視察じゃないですか?」 「ああそっか」 彼女が働く弁当屋がフランチャイズ契約してたか。 それなら納得だ。 「どうぞ。 お乗りいただいて大丈夫ですよ」 空港職員に誘導され 隣のヘリが到着して音がやんだところで 俺たちもヘリに乗り込んだ。 座席に座ってベルトをつけながら 隣から降りてきた男たちを見れば 「どう見ても・・・・」 出てきたのは男4人。 厳ついガタイのいい男ばかり。 どうにも視察には見えないが・・・ --- 俺には関係ないか。 あ、関係なくないのか。 俺は来栖の娘を嫁にしなきゃならないんだった。 今頃思い出しちまったよ・・・
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