来栖妃那編 《どこ行った?》

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「それで?」 「・・・・・それでって?」 なに訊いてんだ? ちゃんと訊いてくんなきゃ伝わらん。 「彼女はどこのお嬢さんだったんですか?」 「・・・・・・・・」 そうなんだよな。 つい。体を求める方に躍起になっちゃって。 事実確認を後回しにしてたら 急きょ呼び戻されちゃうし。 「なんですか? もしかして訊いてないんですか?」 「・・・・・・・・・・」 その通りだから。 言葉もなしに頷いただけ。 「はぁ~・・・・」 でっかいため息を・・・ 俺の前で堂々と吐いた後、いつものように 「バカですか?」 哀れむような目で俺を見て、そのひと言。 「いえ、間違えました。 ・・・・・・・バカですね?」 わざわざ訂正をして言い直しやがった。 無言で睨みつけてやっても 「どうせ見つけてすぐに襲ったんでしょ? 見境もなく野獣のように。 しかも朝まで寝かすこともなく・・・・」 次々と述べられる真実。 どこかで見てたのか?覗きか? 「覗きなんてしなくてもわかりますよ。 あなたならやりそうだなって事がね。はぁ」 もう1個おまけのため息付きだった。
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